個人事業主として仕事をしていく上で、もしも損害賠償責任を問われるようなトラブルを起こしてしまったらどうしよう?と不安を感じることはありませんか?故意によるものは論外ですが、過失による事故が起きるリスクはひそんでいます。もちろん、訴訟を起こされるリスクだけでなく、損害を受けて賠償責任訴訟を起こす立場になる可能性もありえます。そこでまずは、損害賠償の対象となる要件、損害賠償手続きの手順、訴訟を起こされた場合の対処法など、損害賠償トラブルに関する基礎的な知識を学んでいきましょう。
過失という一定の要件 |
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損害賠償請求とは、相手方の義務違反や不法行為によって生じた損害について、主に金銭によって購うよう求めるものです。欧米では懲罰的な損害賠償請求が認められているため、極めて高額な賠償を求められる場合もありますが、日本では実際の損害に基づいて判断されるのが原則です。そして契約上の義務違反や、あるいは不法行為責任における故意・過失や相当因果関係など、一定の要件を満たす必要があり、その判断の蓄積が判例となっているのです。 |
請求手続きの方法 |
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例えば相手方の契約上の義務違反などによって損害を受けた場合、損害賠償を請求するための手続きとして、まずは自分で交渉してみましょう。相手が素直に支払わないのであれば、内容証明郵便を送ります。これは弁護士に相談して、弁護士名で送ると効果が上がるようです。弁護士に示談交渉もお願いして、相手方との交渉の末、一定の和解に至れば、合意内容を書面にします。まとまらなければ、最終的には裁判で決着をつけることになりますが、当事者で話し合う余地がある場合には、調停という方法もあります。 |
気軽に相談できる「弁護士ドットコム」 |
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弁護士に相談するということが一部の特権と化していた時代は、過去のものとなりつつあります。もちろん高額の報酬を支払って実際に裁判の弁護などを依頼するのは別ですが、少なくともオンライン上であれば無料の法律相談を、「弁護士ドットコム」などを通じて受けることができます。これは匿名を保ちながら、胸の内に秘めた個人的な悩みを、不特定多数の人と共有することができるという点でも画期的なものです。解答する弁護士にもメリットがあり、人気サイトになっています。 |
訴訟を起こされた時の対処法 |
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突然裁判所から訴状が送達されて、「被告」に自分の名前が記載されているのを見れば、誰でも慌ててしまいます。しかしこれを無視して放置すると、欠席裁判で敗訴してしまい、原告の主張通りに賠償しなければならなくなる危険があります。最低限答弁書に「原告の請求は認めない」などと記載して裁判所へ提出すれば、第一回期日に欠席してもよく、それから原告の主張と証拠を基に、自らの主張立証を組み立てて、有利に訴訟を進める戦略を練っても遅くありません。 |
個人事業主にとって、納期厳守は信頼関係維持と損害賠償リスク回避のために不可欠です。納期遅延は相手方に迷惑をかけ、ビジネスにも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、余裕のある納期設定が重要です。これにより突発的なトラブルにも対応でき、質の高い仕事につながります。また契約書の作成も重要で、納期や報酬額だけでなく、予期せぬ事態への対応も明記すべきです。専門家の意見を聞くことで、より詳細な契約内容を盛り込むことができます。これらの対策により、個人事業主は長期的に安定した活動が可能となります。more
損害賠償で訴えられた場合にも、慌てて対処を間違えると、何ら落ち度がないのに高額の賠償を支払わなければならなくなる危険があり、注意が必要です。まず訴状が届いたら、原告の請求を認めない旨を記載した答弁書を提出します。こうしておけば、第一回目の期日に欠席しても、不利にはなりません。そして原告の主張と立証を基に、戦略を立てます。仮にその事件と関連して逆に請求できるものがあれば、反訴を提起することも可能です。more
今や個人情報の漏洩など、IT分野に携わる者にとって、様々なトラブルに巻き込まれる危険は高まっています。自らの過失によって莫大な損害を引き起こした場合の備えとして、IT業務損害賠償責任保険に加入しておきましょう。商品は損害保険会社が提供していても、代理店は企業コンサルティング会社という場合が多いようです。被保険者や補償の範囲は、契約する保険によって異なります。また個人情報漏洩に備えた賠償責任保険は、オプション加入の他、単体での加入もあります。more