個人事業主は納期を遵守して損害賠償をトラブルを防ごう

納期厳守は基本

個人事業主として活動する上で、損害賠償のリスクは常に意識しなければなりません。特に、相手方との信頼関係を損ね、金銭的な負担にもなりかねないのが納期の遅延です。個人事業主は自由度の高さが魅力とはいえ、時間にルーズな働き方が許されるわけではありません。プロとして仕事を受注しているのであれば、納期は必ず守らなければなりません。
納期を守れないことは、相手方に迷惑をかけるだけでなく、その後のビジネス展開にも悪影響を及ぼします。例えば、相手方が別の企業との契約に間に合わなくなったり、予定していた広告展開ができなくなったりする可能性もあるためです。このような事態になれば、損害賠償を請求される可能性も出てきます。プロとして仕事をしている以上、個人的な事情で納期を遅延させることは許されないと考えるべきでしょう。

余裕のある納期設定を

相手方との信頼関係を守るためはもちろん、予期せぬトラブルによる損害賠償のリスクを回避するためにも、個人事業主は納期設定を慎重に行う必要があります。「この仕事量ならこの期間で十分だろう」と、自分の能力や経験則だけで納期をギリギリに設定することは大変危険です。納期直前にパソコンが故障したり、予期せぬ体調不良に見舞われたりする可能性も十分に考えられるためです。このような事態はいつ起こるかわかりませんし、そうなってからでは相手方への対応も遅れ、信用を失うリスクも考えられます。
余裕を持った納期設定は、単なる時間的なゆとりを生み出すだけではありません。突発的なトラブルにも冷静に対処できる心の余裕を生み出し、結果として質の高い仕事に繋がります。そして、それは相手方からのさらなる信頼獲得にもつながるはずです。
個人事業主として長く安定して活動していくためには、自身の能力を最大限に発揮できる環境を作ることも大切です。そのためにもあらゆる事態を想定し、余裕を持った納期設定を心がけましょう。

契約書の明記も忘れずに

損害賠償のリスクを回避するためには、契約内容を明確にしておくことが大切です。口約束だけで済ませずに、書面に残すことが、後々のトラブル防止の鍵となります。契約書には、納期や報酬額など基本的な事項だけでなく、災害や事故など、予期せぬ事態が発生した場合の対応についても明記しておくことがポイントです。例えば、大規模な自然災害によってやむを得ず納期が遅延する場合や、作業が不可能になる場合の責任の所在、キャンセル料の有無などは、記しておいたほうがよいでしょう。
予期せぬ事態は、いつ自分の身に降りかかるか分かりません。そして、そのような時にこそ普段からの備えが重要になります。事前に相手方としっかりと話し合い、双方が納得した上で契約書を作成しておくことで、万が一トラブルが発生した場合でも冷静に対処できる可能性が高まります。
また、契約書を作成する際は、専門家の意見を聞くことも効果的でしょう。弁護士や税理士などの専門家に相談することで、自身では気づかなかった点や、より詳細な内容を盛り込むことができます。